バイオフィリア ―マスティンバーが叶える健康とウェルビーイングへの恩恵―

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この記事でわかること

  • 人間には、建築環境において木材を求める、根源的で進化的な性質が備わっています。
  • 自然の要素を取り入れたバイオフィリックデザインは、測定可能な効果をもたらします。
  • 入居者のウェルビーイングは今や、成功する物件を左右する測定可能な差別化要因となっています。

多くの人は、建築環境における現しの木材を、見た目として美しいと感じます。とはいえ、私たちと木材とのつながりは、その見た目への好みだけにとどまるものではありません。木材が持つ自然な性質は、その色合いや木目、感じられる温かみを通じて表れ、入居者の健康とウェルビーイングを支えることが示されています。とりわけ、木材が建物のデザインの要として目立つ形で使われ、実際に見て、触れて、香りまで感じられるようになっているときに、その効果は顕著になります。

私たちのルーツと断ち切られたつながり

人類の歴史のほぼ全体を通じて、おそらくその始まりから、私たちの種はごく少数の自然素材を日々の暮らしの中で幅広く活用してきました。木材は、その代表的な存在のひとつです。この自然素材が持つ美しく不規則な木目や質感は、幾千年にもわたり、住まいや道具に欠かせないデザインの一部であり続けてきました。しかし、進化の時間軸で見ればまばたきほどの一瞬に過ぎない産業革命とその後の急速な都市化によって、この自然とのつながりは断ち切られてしまいました。

この2世紀の間に、人々は突如として、鋼材やガラス、打設されたコンクリートで作られた実用一辺倒の空間で日々を過ごすようになりました。木材と比べると、こうした素材はしばしば不自然なまでに画一的な見た目を持ち、手触りにも冷たさを感じさせます。そこには、自然の生息環境を求める私たちの進化的な欲求に応える感覚的なフィードバックが欠けています。その結果、そうした空間は、たとえその印象が無意識のレベルにとどまるものであったとしても、どこか人間味に欠け、居心地の悪いものに感じられることがあります。

対照的に、数多くの研究により、オフィス、学校、病院など様々な種類の物件において、木材が建物のデザインや内装に欠かせない要素として取り入れられているとき、人々の印象ははるかに良好になることが示されています。入居者は、そうした空間を心地よく、親しみやすく、さらには活力を感じられるものとして捉える傾向があります。人工的な素材で作られた環境に暮らすことは、ある意味で、私たち本来の性質に逆らうことを私たちに強いてきたと言えるでしょう。それは、人間としての私たちのルーツとのかけがえのないつながりを断ち切ってしまったのです。マスティンバー構造は、そのつながりを取り戻す一つの方法を提供します。

バイオフィリアとは?

1960年代、社会心理学者エーリッヒ・フロムは、人間が生命そのもの、そしてあらゆる生きとし生けるものを愛する性質を表す言葉として、「バイオフィリア(biophilia)」という用語を生み出しました。この概念は、その後、生物学者のE・O・ウィルソンによって、同名の著書『バイオフィリア』(Biophilia、1984年)の中で取り上げられ、広く知られるようになりました。ウィルソンは、人間には遺伝的に自然を求める性質が備わっていると主張しました。

誤解のないよう付け加えると、この仮説は、ハイキングやキャンプといった屋外活動を好む人がいるという程度の話をはるかに超えるものです。むしろ、これは私たちの祖先が置かれていた環境が、現在の環境に対する私たちの反応の仕方をいかに深く形作っているかという問題です。種としての私たちの神経学的・生理学的な核心部分は、石器時代の祖先からさほど進化していません。現代の環境において必ずしも役立つとは限らないにもかかわらず、私たちは今なお、狩猟採集民としての名残の生物学的性質に「配線」されたままなのです。

バイオフィリアとは、本質的には、このミスマッチを認識することであり、それに応える形で、とりわけ建築環境において、人々を自然の複雑さ全体と再びつなげることの恩恵を探求することにほかなりません。建設資材の選択は、様々な形で入居者の健康とウェルビーイングに直接的な影響を及ぼし得ます。バイオフィリアという概念を理解することは、人間の本質を損なうのではなく、それをより良く支える建物を設計していくための重要な一歩となります。

実践におけるバイオフィリックデザイン

『バイオフィリア』の出版から40年以上が経った今日、バイオフィリックデザインは、理論的な概念から実践的な枠組みへと発展を遂げています。自然光や植物、水、そして現しの木材といった自然の要素を建築環境に意図的に取り入れることは、人間のウェルビーイングに大きな効果をもたらすことがわかっています。例えば、実証研究により、従業員の生産性が高まり病欠が減ること、学生の集中力が増しテスト成績が向上すること、そして住民がより質の高い睡眠を得て気分の全般的な改善を実感することが、一貫して示されています。

人々がこうした具体的な恩恵を実際に体感するにつれて、バイオフィリックデザインはニッチなデザインの潮流から市場の標準的な期待水準へと急速に姿を変えつつあります。たとえ入居者がその根底にある進化科学についてまったく知らなくても、彼らは自然との触れ合いを求める私たちの根源的な欲求に応える室内空間に、直感的に惹きつけられます。その魅力はきわめて大きく、Googleのような大手企業は今や、オフィスやキャンパスのデザインにバイオフィリックな要素を取り入れるための具体的な社内目標を掲げています。これは、こうした企業がそれぞれの分野でトップクラスの人材を獲得し、つなぎとめていく力において、職場のデザインが重要な役割を果たしていることを明確に示すものです。

入居者からの高まる需要を受け、事業用不動産業界は、建築環境にバイオフィリックデザインの要素を取り入れる取り組みを定量的に評価するため、いくつかの主要な認証制度に目を向けるようになってきました。日本のCASBEEをはじめ、世界的な規模を持つLEEDやWELLといった任意の認証プログラムは今や、自然の要素をデザインに取り入れた建物を正式に認定しています。これらのプログラムの中には、入居者のウェルネスを軸に一から構築されたものもあれば、サステナビリティや環境性能を評価する既存の枠組みに、ウェルネスに関する基準を後から加える形で発展してきたものもあります。

とりわけポストコロナの現実において、入居者のウェルビーイングは多くの場合、好調な事業用物件とそうでない物件とを分ける差別化要因となっています。バイオフィリックデザインの分野において、マスティンバーは、自然とのつながりを求める人間の欲求を、他の建築工法にはない形で満たすという、独自の強みを持っています。

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ベネット・グラハム

アメリカで20年にわたるキャリアを積んだベネット・グラハムは、現在、事業用不動産投資会社アンソキャプの創業者として、札幌における投資物件をソーシングしています。

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