デベロッパーと投資家にとっての確かなビジネスケース、マスティンバーの強み

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この記事でわかること

  • マスティンバーの鋼材・コンクリートに対するコスト差は、市場によってはわずか5パーセントにまで縮小しています。
  • 短い工期と少人数での施工は、保有コストを抑えつつ、賃料収入が発生し始める時期を早めます。
  • 機関投資家はすでにこれを織り込んでおり、マスティンバー資産の還元利回りは従来型の建物と同等かそれ以上の水準にあります。

増え続ける研究が示すとおり、マスティンバーは環境にも人間にも良い影響をもたらします。しかし、その持続可能性とバイオフィリアの観点での利点にとどまらず、マスティンバーは事業用不動産のデベロッパーや投資家に対して、収益性を高める経済的な効率性ももたらします。

コスト差の縮小

マスティンバー案件における建設資材のコストは、従来型の資材と比べて依然として割高になる場合がありますが、その差はこの10年で大きく縮小しています。地域の木材サプライチェーンや施工業者の習熟度にもよりますが、現在では市場によってはわずか5パーセント程度の差にまで縮まっています。

短工期と保有コストの低減

マスティンバーが真価を発揮するのは、人件費や諸経費、そして保有コストの削減という面です。マスティンバーの部材はオフサイトで精密な規格・寸法に従ってあらかじめ製造されるため、現場での作業は「建設する」というよりも「組み立てる」に近いものになります。

これにより、同等の鉄筋コンクリート造の建物よりも早く建ち上がるだけでなく、通常はより少ない作業員数で、コンクリート打設や廃材処理に伴う交通量も大幅に少なく抑えられます。この優位性は、コンクリートスラブを用いた鉄骨造の建物と比較しても変わりません。総じて、工期は通常10から20パーセント短縮されます。工期の短縮は、建設融資に伴う保有コストを引き下げるとともに、賃料が発生し始める時期を早め、そのいずれもがプロジェクト全体のリターンに直接反映されます。

軽量な構造体という強み

コンクリート造や鉄骨造の上部構造との比較を続けると、マスティンバーは著しく軽量です。構造体そのものの重量が軽いため、建物の基礎が支えるべき固定荷重もそれに応じて小さくなり、安全性を損なうことなく基礎を小さくすることができます。

これにより、必要な掘削の深さと必要なコンクリートの量が減り、いずれも建設コストの削減につながるほか、コンクリート使用量の減少は建物のエンボディドカーボンを引き下げるという副次的な利点ももたらします。フレームが軽量であることは、日本のような地震活動の活発な市場において、高層建物が抱える構造設計上の負担を軽減することにもつながります。

さらに、マスティンバーは、より重い建設資材では構造的に実現不可能な屋上増築や既存建物の垂直方向のレトロフィットなど、独自の都市再開発の機会を切り拓きます。

リーシングと資産評価の向上

実のところ、マスティンバーのビジネスケースは、建設面での効率性にとどまらず、完成後の建物のパフォーマンスにまで及びます。競合物件との差別化や需要の高まりは、リースアップ期間の短縮や市場相場を上回る賃料につながることが多く、こうした成果は資産評価額の向上を後押しします。

バイオフィリアをテーマにした別の記事で取り上げた、現しの木材が持つ心理的・美的な魅力は非常に強く、デベロッパーはマスティンバー資産を、ウェルネスを重視したプレミアムなオフィスや住宅として位置づけることができます。とりわけ、マスティンバーのオフィスビルは、信用力の高いテナントを惹きつける傾向にあります。こうしたテナントとは、実績があり、知名度が高く、賃料不払いに陥る可能性が極めて低い、主に大企業を指します。このようなテナント構成を持つ資産は、市場において、より低い還元利回りという形で評価される傾向にあり、それがより高い資産価値の創出につながります。

市場はすでに織り込み済み

市場に供給されるマスティンバー建物の数が増え続ける中、これらの物件の評価に用いられる還元利回りは、従来型の建設資材で建てられた同等の資産に用いられる還元利回りと少なくとも同水準か、あるいはそれより低い水準にあるという証拠が積み重なりつつあります。この需要は主に、継続的なESGへの取り組みやコミットメントを背景とする機関投資家、特に欧州およびアジアの投資家によって牽引されています。

2026年には、こうした潮流の広がりを、アーバンランドインスティテュートとPwCが共同出版した『Emerging Trends in Real Estate』アジア太平洋版が捉えました。この最新版の年次報告書は、市場参加者や事業用不動産業界を代表する専門家へのアンケート調査、インタビュー、フォーカスグループに基づき、より本質的な変化が進行していることを裏づけています。

かつて「グリーンプレミアム」という言葉は、最高水準の持続可能な建物が相対的に高い価値を持つことを表していましたが、この考え方は今や「ブラウンディスカウント」へと裏返っています。サステナビリティが新たな標準になるにつれ、炭素集約型の物件は、貸し手からのより高い資金調達コストと、投資家からのより低い評価額という、両方の逆風にさらされています。

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ベネット・グラハム

アメリカで20年にわたるキャリアを積んだベネット・グラハムは、現在、事業用不動産投資会社アンソキャプの創業者として、札幌における投資物件をソーシングしています。

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